▶当デイケアで採用するリハビリ理論
脊柱(せきちゅう)の柔軟性が失われた状態で筋力トレーニングを行うと、充分な効果が得られないばかりか、怪我をする恐れがあります。筋力トレーニングを効率的に進めるためにも、脊柱の柔軟性の獲得は不可欠です。
当デイケアを解説するに至って、高齢者特有の柔軟性の低下を改善して(SD療法)から筋力強化を行うことで、より効率的な身体機能の向上を目指します。さらには経験豊富な理学療法士が、これまで「塚崎整形クリニック」で行ってきた内容と同等のリハビリを行います。
▶SD療法とは
SD療法とはSpine Dynanmicsの略であり、「慢性疼痛疾患」に共通する機能的問題点に対し、全身の関節の中でも脊柱に重点を置いた柔軟性獲得の為の理論です。
理想的な脊柱とは、脊柱が適度に弯曲し、その脊柱を筋肉で柔軟性をもって制御する「筋性支持」の状態であり、若い人に当てはまります。
一方、加齢に伴い筋力が低下してくると、この脊柱アライメントの保持はは骨性因子が主体となり、重心線の異常や下脊柱湾曲を増大させます。
そしてこの脊柱柔軟性低下は筋の作用力低下につながり、体幹四肢の筋出力抑制を惹起させてしまいます。
この弯曲運動の正常化をはかるのが、SD療法であり、姿勢制御機構の正常化につながります。実際には種々の機器を使い、下記の運動を行います。
- 脊柱の柔軟性の獲得
- 骨盤運動
- 腿裏運動
- 胸式呼吸
▶包括的高齢者運動トレーニング
東京都老人総合研究所・介護予防緊急対策室が考案したトレーニング方法です。運動機能の向上させることで、「支援」、「介護」なしでの自立を目的としています。
意欲の増加や積極性の向上など、心理面での効果も期待できます。虚弱高齢者や要介護高齢者の身体機能を高め、要介護に陥ることを防ぎ、生き生きとした生活を維持していただくことを目的としています。包括的高齢者運動トレーニングは下記の特長を持っています。
① 高齢者の身体機能の向上を目指す
維持を目標としたトレーニングでは、虚弱高齢者は虚弱のままです。 適切な負荷をかけた運動トレーニングにより、身体機能の向上を目指す。
② 筋力、持久力、柔軟性、バランス能力を包括的にトレーニング
高齢者の体力の諸要素が独立して低下することはまれです。諸要素の包括的トレーニングが全体的な体力の向上をもたらします。
③ 医療スタッフと運動指導スタッフがトレーニングをバックアップ
対象者が安心してトレーニングでき、かつ、運動プログラムの実施効率を上げるために、各専門分野のスタッフが協同してバックアップ。理学療法士、運動指導員、医師・看護師等の専門職が関与します。
④ トレーニング期間を限定し、個々の目標を設定
・1回90分の運動トレーニングを週2回、3ヶ月実施する予定です。
・3ヶ月を、コンディショニング期、筋力増強期、機能的トレーニング期に分割します。
・各期の目標を個別に設定し、対象者の意欲を持続させます。